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無料ってすごくない?|パリ・プチパレで出会う、古典と現代アートの調和

こんにちは。ととのえりです。

無料だし、休憩ついでに寄ってみよう。

そんな軽さで入ったのが
プティ・パレ(Petit Palais)

でも、結果から言うと——
これが、ものすごく良かった。

Petit Palais外観

「無料」の概念が、根本から違う

日本だと
「無料」と聞くと、

簡易的
おまけ
とりあえず

そんな印象を持つことが正直あります。

でも、プティ・パレは違いました。

建物のスケール。
空間の余白。
展示のクオリティ。

どれを取っても
「無料だから」ではなく、
「市民に開かれているから」という在り方。

無料=チープ、ではない。
無料=文化として共有されている。

この感覚の違いに、
まず驚かされました。

大変失礼いたしました!(笑)

Petit Palaisのホール

ここは“現代アートの発表の場”でもある

展示を見ていて感じたのは、
ここが単なる
「過去の名作を保存する場所」ではない、ということ。

現代アートが、
実験的でも、尖っていても、
きちんと“今の文化”として置かれている

どこか間借りしている感じでもなく、
説明過多でもなく。

まるで
国全体が、
現代アートをちゃんと応援している

そんな空気がありました。

アーティスト INTI

INTI

この女性像の作品は、
チリ出身の現代アーティスト INTI によるもの。

INTIは、
「ストリートから美術館へ上がってきた」作家の中でも、
とても品のある進化を遂げたタイプとのこと。

ストリートアートを出自に持ちながら、
宗教画のような構図と、
民族的な文様、金彩の背景を重ねる表現が特徴です。

古典と現代、
信仰と個人、
強さと静けさ。

相反する要素が、
不思議なバランスで同居していて、
見ているこちらの呼吸まで整うような感覚がありました。

INTI https://www.instagram.com/inti.artist

こちらは、ドイツの現代アーティスト
オットマー・ヘアールによる
《Beethoven》シリーズの作品。

偉大な作曲家ベートーヴェンをモチーフにしながら、
舌を出し、角を生やしたその姿は、
どこか人間くさく、ユーモラス。

権威を壊すのではなく、
そっと距離を縮めるような表現が、
歴史ある空間の中でとても心地よく感じられました。

WE ARE HERE – La Tour de Babel

天井まで積み上げられた本の塔は、
旧約聖書の「バベルの塔」をモチーフにした
現代アート作品《WE ARE HERE – La Tour de Babel》。

知識や言語を象徴する「本」を積み上げながら、
その先にあるのは、
完全な理解ではなく、
それでも続いていく人間の営み。

古典的な空間の中でこそ、
この作品はとても静かに、
そして強く響いていました。

INTI

チリ出身のアーティスト、INTIによる大型作品。

一見すると宗教画のような構図。
けれど、描かれているのは
いわゆる「聖人」ではありません。

花の光輪をまといながら、
足元には骸骨が積み重なり、
周囲には無垢な子どもたち。

救済や奇跡を語るのではなく、
歴史の中で犠牲になってきた
名もなき人々の存在を、
静かに、しかし確かに
こちらへ差し出してくるような作品でした。

古典の形式を借りながら、
語られているのは
いまの世界の話。

だからこそ、
この空間で成立しているのだと思います。


古典と現代が、自然に溶け合っている

特に心地よかったのは、
古典と現代アートの距離感。

新しいものが
古いものを否定しない。

古典が
現代を見下ろさない。

どちらも
同じ空間で、同じ温度で存在している

日本だと、
どうしても
「テーマ性」
「組み合わせ」
「仕掛け」
に寄りがちだけれど、

ここは違う。

しっとりしていて、
落ち着いていて、
それでいて、退屈じゃない。

見る側も、展示も、
どちらも無理をしていない

Petit Palaisの模写している若い人

模写している若い子たちが、たくさんいる風景が素敵

個人的に、
すごく好きな光景がありました。

美術館の中で、
若い子たちが
黙々と模写をしている。

真剣で、
静かで、
でも、好きが溢れている。

日本だと
「立ち止まらないでください」
「ここではできません」
と言われそうな空気があるけれど、

パリでは、
きちんと申請すれば
模写が“認められた行為”として存在している

芸術家を目指さなくてもいい。
評価されなくてもいい。

ただ、好きだから描く。
それが許されている場所。

これって、
すごく豊かなことだと思う。

Petit Palaisでお茶する人たち

女子の愛らしい風景が素敵

もうひとつ、印象に残っているのがこれ。

女の子2人で、
近くの喫茶店でケーキを買ってきて、
寒い中、普通に座って食べながらおしゃべりしている。

写真を撮りまくるわけでもなく、
誰かに見せるためでもなく。

ただ、
一緒にいる時間を楽しんでいる

日本だと、
双子みたいに同じ格好をして、
顔も服も作り込んで、
写真が主役になりがちだけれど、

ここにあったのは、
もっと素朴で、
女の子らしい可愛さ。

なんだか、
とてもいいなと思いました。

Petit Palaisの回廊


「ついで」で入ったのに、記憶に残る場所

休憩のつもりで入ったのに、
気づけば、
しっかり心に残っている。

派手じゃない。
ラグジュアリーを押しつけてこない。
でも、確実にレベルが高い。

さすがパリ。
やっぱり別格。

ラフに現代美術が楽しめる場所。

プティ・パレは、
そんな美術館でした。


プチ・パレ(Petit Palais)は、パリ市が運営する常設展は入場無料の美術館。
古典美術と現代アートが同じ空間で自然に共存する、パリらしい文化施設です。

プチ・パレ(Petit Palais) 公式サイト

公式URL https://www.petitpalais.paris.fr

ととのえり

美容好きインテリアコーディネーター|大手ゼネコン・建築設計事務所を経て、130店舗以上を展開する某カリスマ美容家の店舗内装デザイナー兼ブランディング担当とし...

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