【漆磨(シーマ)カップ】暮らしを整える“選ぶ力”をくれた、静かな逸品

あなたは、グラスやカップをどういう基準で選んでいますか?お気に入りの一杯はありますか?
「それじゃなきゃダメ」と思える器って、実はなかなか出会えないものですよね。
私自身、若い頃はカップやグラスに特別なこだわりはなく、家にあるのはもらいものやなんとなく買ったものばかりでした。
「曇るし、割れるし、手間がかかるし……」と、どこかで割り切っていました。
50代になりやっぱり丁寧に暮らしたいなあと思っていた矢先、私の価値観をガラリと変えてくれたのが、旅先・富山で偶然出会った「漆磨(シーマ)カップ」です。

一目惚れした、静かで凛とした美しさ
ふらっと立ち寄った店で目に留まったこのカップ。
一目見て、漆の美しさに心を奪われました。
“民芸品”のような素朴さとは違って、どこか洗練されていて、静かで凛とした存在感。
モダンでシンプルでありながら、ぬくもりのあるデザイン。まさに私の「好き」が詰まっていました。
まずは小さめサイズを購入。使い始めてみると、私との相性がとっても良かった。
工芸と工業の融合──燕三条×山中漆器の技
調べてみると、この漆磨カップは、新潟・燕三条の高い研磨技術と、石川県・山中漆器の漆塗り技術を組み合わせたもの。
外側は金属とは思えないほどなめらかで、内側には漆が丁寧に塗られています。
口当たりがしっとり優しく、手にした瞬間の仕上がりの美しさはいつまでも飽きません。

使ってわかった、“普段づかいの贅沢”
使うたびにますます気に入った理由は、
- 冷たい飲み物は、氷を入れなくても冷たさが持続
- 氷を入れればキンと冷えて爽快感が増す
- 温かい飲み物も、最後まであたたかさキープ
- 結露しにくく、テーブルが濡れない
- ステンレス製だから、丈夫で割れにくい
このカップがひとつあるだけで、暮らしの中に“静かな満足感”が生まれました。
暮らしを大切へする人への贈り物にもぴったりかも。

“ととのう”とは、「選ぶ力」でもある
使い続けるうちにふと気づいたのは、
「最近このカップしか使ってないな」ということ。
引き出しにあったふぞろいのグラスたちは、急に不要に思えてきて、手放す決心が自然とつきました。
ととのうとは、“捨てる技術”ではなくて、“選ぶ精度”の話だったんだと思います。
このカップとの出会いが、私にそのことを教えてくれました。
今では、「気に入ったものだけを使う」選択が、暮らしを軽やかにしてくれると実感しています。
壊れない、曇らない、結露しない、いい仕事をする。
それでいて、見た目はちゃんと美しい。
そんな頼れる存在が暮らしにひとつあるだけで、自分の感覚が研ぎ澄まされていく。
もう自分に必要なモノだけでいい。「選ぶこと」って、自分を整えることにもつながっているんですね。
やっといいものに巡り合えた。
夏の朝、起き抜けに冷えた玄米麹水をこのカップで飲みながら、そんなことをふと思っています。
今日も良い一日をお過ごしください。
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